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スマホは、また形で語れる時代に戻るのかもしれない。

Samsungが7月22日に開催するGalaxy Unpackedで、A new shape unfoldsという言葉を掲げている。直訳すれば、新しい形が開く。もちろん折りたたみスマホの発表を示唆する言葉だが、今回おもしろいのは、単に次のGalaxy Z FoldやZ Flipが出るという話だけではなさそうなところだ。

噂されているのは、従来の縦長なFoldとは違う、横に広い新しい折りたたみスマホである。

スマホは完成しすぎた

ここ数年のスマホは、正直かなり退屈だった。カメラが少しよくなる。チップが速くなる。AI機能が増える。画面が明るくなる。もちろん全部すごいことではある。でも、使っている側からすると、毎年の進化はだんだん見えにくくなっていた。

スマホは完成しすぎた。

だからこそメーカーは、AIという言葉で新しさを作ろうとしている。スマホの中で文章を要約する。写真を消しゴムで直す。通話を翻訳する。検索する前に提案してくれる。たしかに便利だ。でも、それはスマホの中身の話だ。手に持ったときの感覚や、ポケットから出した瞬間の違和感までは変えてくれない。

折りたたみはスマホの外側を変える

一方で、折りたたみスマホは違う。

良くも悪くも、形そのものが変わる。閉じているときと開いたときで、同じ端末なのに意味が変わる。電話なのか、タブレットなのか、メモ帳なのか、動画プレイヤーなのか。その境界が曖昧になる。

これまでのGalaxy Z Foldは、開くと縦長の小さなタブレットになる端末だった。仕事にも読書にも向いているし、マルチタスクもしやすい。ただ、閉じたときの外画面が細長すぎるとか、開いたときの比率が少し中途半端だとか、ずっと言われてきた弱点もあった。

もしSamsungが本当に横に広い折りたたみを出すなら、それは単なるデザイン変更ではない。

スマホを縦に持つものと決めつけていた前提を、少しずらすことになる。

横に広い画面が誘う使い方

考えてみれば、いまのスマホ体験の多くは縦画面に最適化されている。SNS、メッセージ、ニュース、ショート動画。片手でスクロールして、流れてくるものを見る。スマホはいつの間にか、縦に情報を浴びる装置になった。

でも、横に広い画面は別の使い方を誘う。

動画を見る。写真を見比べる。地図を広げる。文章を書く。資料を読む。左右にアプリを並べる。縦スクロールで消費するより、少し腰を据えて使う感覚に近い。

つまり、横長の折りたたみは、スマホをもっとスマホらしくするものではなく、スマホを少しスマホ以外に近づけるものなのかもしれない。

ここが面白い。

端末を選ぶ理由として「形」が戻る

いまメーカー各社は、AIでスマホを進化させようとしている。でもAI機能は、どの会社も似た方向に向かいやすい。要約、翻訳、画像編集、検索、音声アシスタント。便利ではあるけれど、数年後にはどのスマホにも入っている標準機能になっている可能性が高い。

そのとき、端末そのものを選ぶ理由はどこに残るのか。

カメラか。バッテリーか。ブランドか。価格か。もちろんそれも大事だ。ただ、もうひとつ大きな理由として、形が戻ってくるのではないか。

ガラケー時代を思い出すと、端末にはもっと形の個性があった。折りたたみ、スライド、回転式、ストレート型。開く動作そのものに意味があったし、持ち方にも人それぞれの好みがあった。

スマホ時代になって、その個性は一度消えた。全面ガラスの板が最適解になり、どのメーカーも同じ方向へ収束していった。薄く、軽く、大きく、ベゼルを削る。その競争が長く続いた。

でも、その板の形がほぼ完成したからこそ、次はまた変な形が許される段階に来ているのかもしれない。

使いやすいかどうかは、まだ分からない

横長の折りたたみが本当に使いやすいかは、まだわからない。重いかもしれない。価格も高いだろう。アプリの対応も課題になる。折り目や耐久性の問題も残る。結局、一部のガジェット好き向けで終わる可能性もある。

それでも、この方向には期待したくなる。

なぜなら、最近のスマホには、触る前からだいたいわかる感じが強すぎたからだ。スペック表を見れば性能は想像できる。カメラの作例を見れば画質もわかる。AI機能も、だいたい何をするのか想像できる。

でも、新しい形の端末は違う。

実際に触らないと分からない価値

実際に開いてみないとわからない。手に持たないとわからない。ポケットに入れて、机に置いて、電車で開いて、寝る前に動画を見てみないと、その良し悪しがわからない。

ガジェットとして、それはかなり大事なことだと思う。

スマホは生活に近すぎる道具だから、性能だけでなく、身体との相性が大きい。片手で届くか。開く動作が気持ちいいか。画面の比率が読む気にさせるか。持ち歩く気になる重さか。そういう感覚的な部分が、結局は毎日の使用感を決めている。

AIがスマホの中身を変えるなら、折りたたみはスマホの外側を変える。

そして今、外側の変化のほうが、むしろ新鮮に見える。

次の差別化は「どう開くか」なのか

7月22日のGalaxy Unpackedで何が発表されるのかは、まだ正式にはわからない。ただ、A new shape unfoldsという言葉に少し期待してしまうのは、スマホにもう一度、形のワクワクを取り戻してほしいからだ。

性能競争の先にあるのは、もっと速いスマホだけではない。

もしかすると次のスマホの差別化は、何ができるかよりも、どう開くかに戻っていくのかもしれない。

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